383 冬空への想い

黄色く色づく木々が建ち並ぶ歩道の始まりに立って、
最初に迎えてくれる木を前に冷たく透き通る冬空を仰いだ。
燦然と輝く太陽の光は雲と同化して白く眩しい。
階段を上るとそのまま空につながりそうな気がした。
白い雲が空を飲み込もうとしているのか、空が雲を覆い被そうとしているのか
どちらかわからなかったけれど冬の空は好きだ。
カメラを持ち歩くようになってから夏の空と冬の空の違いを知った。
寒いけれど外を歩きたくなるこの気持ちは、愛犬の散歩に行く気持ちと似ている。
冬空への想いは、大切な人への想いや残したい風景、これから始まる思い出へ
の尽きることのない源泉のように昨年も今年もそして来年も果てしなく綴られる。