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まだ真冬にはなりきれない週末の昼過ぎ。この日、友人と話しながらひたすら歩いていた。
元々、こんなに歩くつもりはなかったけれど、気候は穏やかで軽く散歩するつもりが気が付いたら2～3駅分の距離を歩いていた。目的地は特にないけれど川があることは知っていたのでその川を目指して歩いた。と言っても、話しながらなので方角はズレてくるし、分かれ道で反対方向に面白そうなものがあれば悩む余地なくそちらの方向に歩みを進める。そうこうしているうちに日が暮れ始めた。
上を見上げるといつもの空に電線が張り巡らされていた。約1年前、「018 線の誘惑」（2004/12/12更新分）でもに書いたけれど、電線がその風景の構成を形作るのにひと役買っている。昔は単に電線は要らないもので風景写真には邪魔なものとしか思えなかった。
しかし、電線がある数だけ様々な表情があることを知ってしまった今は、上を見上げればレンズを向けたくなる風景が溢れている。空が主役で電線もまた主役なのだ。