220 帰り道色々#1

駅から自宅までの帰宅コースをいつもと違った帰り方にしてみる。日常で体験
できるこのちょっとした冒険は迷うことが前提にある。歩いたことのない道に
出くわしたら成功。ただし、こんなことを何回も続けていくと、当然のことながら
大抵の道は通ったことのあるものばかりになってしまう。そうなったらひと駅前
で降りればいい。これは想像以上に新鮮だ。大体の方角が合っていれば帰り
着くけどここはひとつ敢えて外してみよう。この日、僕は無謀にも家と逆方向に
歩いて行ってみた。最寄駅が私鉄4線5駅ある僕の自宅周辺だけど、普段は
利用しない駅前に出た。そこから線路伝いに帰り道を模索しながら歩く。なる
べく大通りは避け住宅地の中を抜けていく。すると壁の向こうに何かが見えた。


壁の穴から垣間見えたのはあのブロックたちだった。偶然にしか辿り着けない
あの場所で見たあの光景に出逢うことができた。遠回りという範疇を超えた
遠回りをして辿り着いた例のブロックたち。前々回は夕方、前回は夜だった
けれど今回はまだ明るい夕方前だった。5月も終わろうかという時期だけに
雑草も生え始めていて、以前に見かけたあのブロックだけの無機質で冷たい
印象とはだいぶ違っていた。#2に続く

※2005年3月の一番上の115,116「無言の呟き」と、2005年6月の181「失敗とは」
　 でもこのブロックたちについて書いています。