205 季節の変わり目

川沿いを散歩中にオレンジ色の街灯に誘われて公園に辿り着いた。
冬に見たオレンジ色は温か味があるように感じられたけれど、5月になろうとしているこの時期ではお祭り後の夏の夜のような感じがした。川沿いということもあって頬を撫でる風はどこか湿っている。でも梅雨明け前のじめっとした湿気を含んだ重たい空気の感じとは違う。小春日和の柔らかい太陽の陽射しを受けた地面が、少し肌寒い水辺を漂う夜の空気を温めているからかもしれない。そんな季節の移り変わりを感じながら歩く夜の散歩は格別に気持ちがいい。
暑くもなく寒くもない、ただ吹く風が心地良いこの季節は欧州の夜を思い出させる。